8月のある日。セミが賑やかに鳴き、真っ青な空には入道雲と強烈な日差しを地上に浴びせるお日様が浮かぶ。子供たちはその肌を真っ黒に日焼けさせて夏休みを有意義に過ごし、社会人はまだ遠い盆休みに向けて仕事に励むような日。
「……暑いなぁ」
開け放った窓からわずかな風が入ってくる、とあるアパートの一室。クーラーなんてこの部屋には付いてないし、例え付いていても電気代が怖くて使わないだろうなと、Tシャツ1枚で過ごしている和弥はふと思った。
夏休み。大学生だった頃は友達と一緒に遊んでいたが、今や社会人の身。夏休みなんてあったようなもんじゃない。学校に夏休みはあるけど、教師は夏休みの間も仕事がちゃんとあるのだ。
7月半ばから夏休みに入っても、きちんと学校に出て書類の整理や1学期中に出来なかったこと、そして2学期以降の準備を進めているし、7月末には5年生の臨海学校があったので、そのサポートとして参加。その後、市の教育委員会の研修があったのでそれにも参加。さらには、盆休み前には学校の研修があるし、盆休みが明けてからも学校、県教委、市教委の研修が目白押し。夏休みの授業のない間は、ここぞとばかりに研修をたくさんやることが通例、らしい。
「おれは、去年教員になったばっかりだからよくわからないんだけどな……」
冷蔵庫で冷やしたお茶を飲んで、和弥がポツリとつぶやく。
以前、夏休みの間は「自宅研修」といって学校に出ずに自宅で仕事をすると行った手法が多く使われたそうだが、実質的にそれを休みとして使う人もあり、数々の批判を浴びてからはその「自宅研修」を厳密に管理するようになって使う人もかなり減ったらしい。それに週休完全2日制となって以来、土曜日にあった休みを夏休みで取るということがなくなり、ベテランの先生方からは「夏休みがないー」との子供のような嘆きも聞こえる。
「……一般の社会人って、それが普通じゃないのか?」
そんなわけで、要するに「夏季特別休暇」なる「盆休み」が若干設定されている以外は、生徒が夏休みの間も教師は仕事をしなければならないのだ。ただし、夏休みの学校の職員室と言うものは、まぁどう見ても間延びしている印象を受けるのだが。普通なら多くの生徒で賑わう校舎も、夏休みの間はガランとしているせいで妙な静けさがある。それでも、クラブ活動のあるところは生徒が出てきているので、担当の先生は体育館やグランドに出て毎日生徒を指導しているのだから、きちんと仕事をしている先生もいる。
で、当の和弥はなんで平日の今日休んでいるかと言うと、「年休」である。教師とはいえ労働者なのだから、ちゃんと「年次有給休暇」を使える。授業のある時期には使いづらいから、出来る限りこの時期に使うようにしている。一応は土曜日と日曜日が休みなわけだし、週末とか週明けに休みを入れればそれだけですぐ連休が出来上がり。
そういうわけで、いろいろと予定が詰まっていた夏休み前半。自分の持っている仕事も目処が付き、ちょうど研修も無かった平日に、ちょっと骨休みと言う感じに休んでのんびりとしているのだ。
「んー……。極楽……」
テレビには、モーニングショーのあとの情報番組が流れている。夏休みに行きたいスポットとかなんとか、この時期はそんなのばっかりである。湘南の海、房総の某牧場、首都圏各所のテーマパークと。それを、Tシャツ一枚の和弥がボーっと眺めているだけ。何をするわけでもないが、こののんびり加減がいいのだ。ただその風貌は、普段のきちんとした和弥の姿から比べると、少々だらしない。
しばらくそうしていたところ、机の上に置いてある携帯電話がメロディを奏で始める。
「んー、はいはい」
携帯電話を開いて画面を見ると、嬉しい名前と電話番号が表示されている。もちろんそれは、美穂の自宅の番号。
「はい、籠原です」
通話ボタンを押し、きちんと名を名乗る。だって、美穂じゃなくて親だっていう可能性もあるんだから。
「あ、籠原先生ですか? えと、竹浦です……」
「ん、美穂か。どうした?」
嬉しい声が聞こえてくると声が少し優しくなって、自然と顔もほころぶ和弥。その声を聞いて、美穂も電話口で笑顔になる。
「あの……、今日先生休みって聞いたんで……。先生、アパートにいるんですよね?」
「うん、そうだよ。今日は休みで家にいるよ」
「その……、今日何か予定とかって、……ありますか?」
なんだかちょっと緊張している美穂の声。その声を聞いて、和弥も少し笑う。
「ううん、今日は何にもない。……遊びに来る?」
「えと、……いいんですか?」
「いいよ。美穂なら大歓迎だよ。場所、わかるよね?」
「はい、わかります。えと、じゃあ、今から行きますね」
「うん、待ってるよ。じゃあ、気をつけておいで」
「はい。またあとで」
美穂の弾んだ声を聞いて、携帯を閉じる。その和弥の顔も、自然と微笑んでいる。
和弥の住んでいるアパートと美穂の住んでいるマンションは、歩いて10分ほどの割と近いところにある。美穂は今まで来たことはないけれど、だいたい同じ地域に住んでいるわけだし、以前場所を教えたらすぐにわかった。
電話を切ってから15分ほど経ち、和弥の部屋の玄関前に人が来たような気配。それに気付くとほぼ同時に、呼び鈴がなる。
「はーい。今開けまーす」
玄関を開けると、ひとりのかわいい女の子。ブルーのキャミソールに黄色のミニスカート。そして、ベースボールキャップを被った満面の笑みをした美穂。
「えへへ……。こんにちは、せんせい」
すごく嬉しそうな美穂の顔を見て、和弥も満面の笑みになる。それに、学校では見たことのない美穂の格好に、ちょっとドキッとした。
「うん、いらっしゃい。どうぞ入って」
「はい、おじゃまします」
サンダルを脱いで、美穂が初めて和弥の部屋に入る。物珍しそうな、嬉しそうな、部屋を見渡しながらそんな目をする美穂。
「そこ、座っていいよ」
テレビの前に置いてあるテーブルの前に美穂がちょこんと座る。和弥もお茶をコップに入れてきてからテーブルの上に置いて、美穂の対面に座る。
「迷わなかった?」
「いえ、すぐにわかりました」
場所がだいたいわかっていただろうとはいえ、初めて来るところなのだし、そのあたりは和弥も心配していた。
「外、暑くなかった? 扇風機付けよっか」
「あ、いえいえ。大丈夫でしたよ」
帽子を脱いだ美穂の額に、うっすらと汗が浮かぶ。それに気付いた和弥が、扇風機を動かす。外からわずかに入ってくる風とともに、ふたりの間を扇風機のそよそよとした風が流れる。
「お母さん、今日は仕事?」
「はい。わたしが夏休み入っても、ずーっと会社に行ってます」
美穂の家は共働きで、父親が単身赴任でほとんど家にいない。母親もそれなりの地位について仕事をしているみたいで、普段からひとりのことが多いのだ。
「ってことは、夏休みはずーっとひとりだな」
「はい。お母さんが朝出る前に、わたしも起きるようにしてるんですけど。そのあとは夜までずーっとひとりなんです。夜遅いときは、お母さんが帰ってくる前に寝ちゃうこともありますし」
「そっかぁ……。寂しいなぁ」
「あ、でも、友達と遊んだりするから大丈夫ですよ。あやちゃんとかあずさちゃんと一緒に、プールに行ったりしてますから」
この仲良し3人組は、普段から仲がいいから学校でも休みの日でもよく遊んでいる。なんていうか、3人の境遇や心の成長の仕方あたりが共通しているのかもしれない。
「それに、お盆になったらお父さんも帰ってきますから」
「うん、そうだな。久しぶりに、家族みんなで過ごせるからなぁ」
さっきの和弥の時とは、またちょっと違う笑顔。美穂も表情豊かで、見ていてけっこう楽しい。
「せんせいは、お盆はどうするんですか?」
「んー。1日だけ電話番で学校に出なきゃ行けないけど、あとは何にもないから、ちょっと実家に帰るつもり」
「そうなんですか。せんせいって、夏休みがあんまりないんですね」
「うん、まぁ。でも、それはそれで楽しいんだけどね」
さっきは、夏休み中の学校は何か間延びしているとは書いたけれど、それはそれでいいのだ。いつもよりも時間がゆったり流れている気がするし、校長先生も教頭先生も、普段よりもちょっと気が抜けているのだ。
「せんせいの部屋って、思ったよりもきれいにしてるんですね」
「んー。そうか?」
美穂が部屋を改めて見渡す。ゴミがたまっているわけでもないし、物がそこら中に散らばっているわけでもない。机の上に本がちょっと重ねてあったりするくらいで、割と整理されている方だろう。
「あんまり汚かったら、わたしがお掃除しようと思ってたのに」
ちょっといたずらっぽく美穂が言う。その言葉に、和弥も苦笑する。
9畳ほどの大きさの部屋に、キッチン、バス、トイレつき。一般的なワンルームのアパートの2階の部屋。ここに住んでいる人も、大学生っぽかったり、独身の若い社会人だったりと、だいたいがそんな感じである。
「せんせいって、家でもちゃんとしてるんだなってわかりました」
「家でもって、まぁね……。じゃなかったら、学校で『整理整頓しなさい』とか言えないからね」
広くもなく狭くもない部屋に、ベッドと机、テレビなどが置かれ、あとは備え付けのクローゼットや収納がある。きちんと整理整頓されているのを見て、美穂も嬉しくなる。
「あの、せんせい……」
「ん? なに?」
「……せんせいのところ、行っていいですか?」
ちょっと恥ずかしそうに聞く美穂。
「ん、じゃあ、ここにおいで」
和弥がそう言って、美穂が座っていた斜め前のテレビと真正面のところに移動する。その横に、美穂も寄り添ってくる。
「……えへへ。せんせい……」
嬉しそうに寄り添ってきた美穂の腰に手を回し、きゅっと抱き寄せる。
「……」
しばらく見詰め合ったあと、美穂が目を閉じる。それに吸い込まれるように、和弥が唇を重ねた。
「……へへ。せんせい」
「なぁに?」
「……大好きです」
「うん。先生も大好きだよ、美穂」
再び重なり合う唇。大好きな人と、何度も何度もキスが出来る幸せ。頭がポーっとして、何にも考えたくなくなってしまう。それは夏の暑さのせいじゃなくて、このふたりの間に流れている幸せな暖かさのせい。気持ちがフワフワして、きゅっと抱き寄せられているだけで、すごく暖かい気持ちを感じてしまう。
「えへへ……」
頬を染めて、その小さな身体を和弥に預ける美穂。その身体をやさしく抱き寄せて、和弥も嬉しそうな表情になる。
指で額をそっと撫でながら、髪を払う。しっとりと汗をかいて、それが和弥の指に感じる。
「暑くない?」
「……大丈夫です」
ふるふるっと首を横に振って答える美穂。顔が少し赤くなって、少しポーっとしているのがわかる。
「……せんせい」
「ん?」
「えと、その、……えっち、してもいいですよ」
「……うん。……いいの?」
「はい。だって、……ここだったら安心してえっちできますから」
「ははは。うん、そうだね」
美穂の言葉に、思わず笑う。
確かに、今まではずーっと学校でこっそりとしていたのだ。出来る限り人が来ないところを選んでいたけれど、それでも学校という環境だからいつどんな人が来るかわからない。だから、正直言って落ち着いてえっちが出来ると言うわけではなかった。
一旦、和弥が美穂の元を離れて玄関のカギを閉め、開け放っていた窓や扉を閉め、レースのカーテンを引く。
「学校じゃないけど、あんまりおっきな声出しちゃダメだよ」
「はい、せんせい」
美穂がにこっと笑って、再びふたりの唇が重なり合う。さっきまでのキスとはちょっと違う、なんだかドキドキしてくるキス。お互いに唇をついばみ、時々、舌同士が優しく絡み合う。ふたりの唇が重なり合う、小さい音が部屋の中へ発せられる。
頭をそっとひと撫でした和弥が、美穂をお姫さま抱っこして、すぐそばのベッドにそっと寝かせる。
「せんせい、わたし、重たくなかったですか?」
「ううん、全然そんなことなかったよ」
女の子は、どんな子でも自分の体重というものが気になるのだろう。美穂だって成長期に入ってかなり成長はしているけれど、それでもまだ小さい方だし、体重だって全然軽い方だ。
美穂の隣に和弥も横たわり、頭をやさしく撫でながらたくさんのキスを浴びせる。「心配しなくても、大丈夫だよ」という気持ちを込めて、やさしくやさしく、たくさんの愛情を美穂に注ぐ。そっと目を閉じた美穂も、頬を染めてそのキスをひとつひとつ受け入れていく。
「美穂……」
和弥がそうつぶやきながら、美穂の小さな左手を取り、自分の右頬にそっと押し当てる。少し汗ばんだ、暖かくて和弥の手で隠れてしまいそうな美穂の手。目を閉じて、その暖かさをほんのりと感じている。
「せんせい……」
美穂も同じように、和弥の左手を取って自分の右頬にそっと押し当てる。自分よりもはるかに大きく、ほっぺたがすべて覆われてしまうような和弥の手。その手の温もりが暖かくて、胸がいっぱいになってくる。
「せんせい、大好きです……」
和弥の手に、ちゅっとキスをする。なんだかすごく愛しくなってしまう美穂の行動に和弥もくすっと笑い、右頬に当てていた美穂の小さな左手に同じようにちゅっとキスをする。
ふたり揃って、くすりと笑う。心の中が暖かくて、言葉に出すのがもったいないくらい幸せな気分。和弥が、再び美穂のほっぺたにペタッとくっ付けられた左手で、ほっぺたをふにふにっと触る。
「えへへ……」
少し恥ずかしそうに美穂が笑う。そのまま左手で頭をやさしく撫でてあげながら、もう一度美穂にキスをする。
「ちゃんと、イヤだったらイヤって言うんだよ?」
「はい、大丈夫です」
にこっと笑った美穂の顔を確認して、和弥の手が美穂のお腹に置かれる。キャミソールの裾から中に入り込み、すべすべのお腹を優しく撫でる。ほっそりとしているけど、女の子らしく柔らかさのある素肌がなんだか心地よい。
「夏で暑いけど、寝るときにお腹とか冷やしちゃだめだよ?」
「はい、気をつけます。……せんせいのためにも、お腹は大事にしますね」
そんなことを美穂に言われ、和弥の胸がドッキーンとなる。
「はは、……うん、そうだな」
うれしいような恥ずかしいような、何ともいえない気持ちで、和弥も照れ笑いをする。
お腹を撫でていた手を、そのままもっと上へ忍ばせる。和弥の手にまだ成長途中の小さな胸が届くと同時に、美穂もぴくんとかすかに動く。そのてっぺんにある小さな突起を、ちょんっと触ってみる。
「ひゃ、あっ……」
まだまだちっちゃくても、感度は抜群の美穂の胸。大好きなひとにちょっと触られただけで、美穂の小さな身体には大きな快感として伝わってしまう。
まだ成長途中の胸だから無理をしないように優しく、いたわるようにして和弥が触る。そのやさしさが、美穂には大きな快感になる。
「んっ、ふぅ……」
自然とでてしまう甘美な声を、今日はそんなに無理をしないで抑えなくていい。そんなちょっと気が楽なところも、美穂の快感を強くさせる原因にもなっている。逆に和弥は、今日は美穂のかわいい声がいつもよりもたくさん聞けると思って、それもうれしいのだ。
「は……、はぁ……」
和弥の手の動きに同調するように、美穂が声をあげ身体が小さく動く。
「な、美穂」
「は、はい……。なんですか?」
「美穂の胸、ちょっとおっきくなった?」
和弥にそんなことを言われ、赤くなっていた美穂の顔がかぁーっと真っ赤になる。平均から見ても美穂は成長が遅めで、胸も成長してるとはいえやっぱり小さめなのだ。
「え、えと……、ちょっとおっきくなったかもしれないです……」
「へへ、そっか。ごめんな、変なこと聞いて」
いたずらっぽく笑った和弥を見て、美穂の心臓ももっと高鳴る。
「あ、ドキドキしちゃった?」
美穂の左胸に置かれていた和弥の手に、美穂の鼓動が大きく伝わっている。
「せ、せんせい……」
「なぁに?」
「その、おっきくなったとかって、……わかるんですか?」
「うーん、……なんとなく、柔らかくなったかなぁとか、そんな感じがするよ」
そう言いながら、手をやさしく動かす。それに合わせて、美穂の身体もぴくんぴくんと動く。
「ふぁぁ、……いじわるしないでください、せんせぇ」
「へへへ、うん、ごめんな」
お詫びに、というわけでもないが、美穂の唇にちゅっとキスをする。恥ずかしそうで、ちょっとだけ不服そうな感じの美穂の顔。和弥はくすりと笑って、唇だけでなくほっぺたやおでこにもたくさんのキスを浴びせる。
美穂もそんなことされて「ずるいなぁ」と感じているのだが、やっぱり大好きなひとだから許してしまうのだ。それになにより、たくさんのキスにいっぱいの愛情を感じられるからうれしい。キスだけでなく、和弥がしてくることのひとつひとつに、何か愛情が入っていると感じられる。
「大好きだよ、美穂」
その言葉に美穂もこくんとうなずく。
和弥の手がキャミソールの裾をつかみ、するするするっと上げていく。その下には何も着ていないから、すぐにきれいな白い肌と健康的に日焼けした水着の跡の付いた、小さくほっそりとした身体が現れる。その白い肌が占める部分に、控えめだけど成長を続けている美穂のふくらみがふたつの山を作っている。そのふくらみの先端、ピンク色に染まって、ピンと上を向いているところに優しくキスをする。
「あっ! ひゃん!」
美穂のからだがぴくぴくっと動き、手で触られるのとはまったく違う快感が身体の中を流れ始める。
「ふぁぁっ、んんぅ……」
和弥の舌が美穂のふくらみを這いずり回るのと連動して、美穂の口からも恍惚の吐息が漏れる。それとともに、手や脚が、なにか足場を求めるように不自然に動く。
「美穂、気持ちいい?」
「は、……はい、気持ちいいです……、せんせぇ……」
「うん、よかった」
和弥がうれしそうに笑い、美穂にキスをする。そのキスに、美穂もお返しをする。
もう一度美穂にキスをすると、美穂の脚に手をかける。さっきの愛撫でミニスカートがめくれ、水色のパンツが見えていた。太ももの内側から手を忍ばせ、その部分にそっと指を添えると、じんわりと濡れているように感じられた。
「美穂、スカート脱がしていい?」
和弥がそういうと、美穂もこくんとうなずいて腰を上げる。横のホックを外して、和弥が黄色のスカートをするするっと脱がしてしまう。ベッドの上に横たわる、キャミソールをはだけた美穂。その姿が、なんだかすごくいやらしく、和弥の気持ちに響いている。
美穂に寄り添って優しく抱いて、頭を撫でてあげながら、何度も何度もキスをする。
「ふわぁ……、あっ……」
美穂を優しく抱きかかえながら和弥の手が一枚だけ残った下着をくぐり、まだ何も生えていないすべすべの丘を越えて、美穂の秘部に到達する。少しだけ顔を出した秘部の芽に指先が到達すると、美穂の口からより一層甘美な声が漏れる。
その芽の下からは、すでにぬるっとした液体が流れ始め、美穂の身体を濡らし始めていた。
「あふっ、……ひぁっ、あぁっ」
和弥の指の動きに合わせて脈動する、美穂の小さな身体。和弥と経験を重ねるうちに、一番最初のころよりも感度も上がってきているし、美穂自身の悦びも増してきている。なによりも、ふたりがもっともっと親密になっている。
ピクリピクリと動き、甘くてかわいい声を出す美穂。その姿を見ながら、和弥も気持ちがどんどん高ぶっていく。キャミソールを脱がして上半身を完全に裸にしてしまうと、美穂の秘部を優しくいじりながら、たくさんのキスを浴びせる。
「んっ、んっ……、ぷわぁ、せんせ、んっあっ……」
和弥の行為を幸せに感じながら、美穂はそのひとつひとつ受け入れていく。
「腰、上げてくれる?」
その言葉にこくんとうなづいた美穂が、腰を少し上げる。最後に残されていた水色のパンツを脱がし、生まれたままの姿にする。和弥自身もTシャツとハーフパンツを脱ぎ、改めて美穂の身体を抱きしめる。
「せんせ……」
「うん、美穂……」
夏の暑い日に、締め切った部屋の中で抱き合っているふたり。それでも、お互いの火照った身体がなぜか心地よかった。
「せんせい、来ていいですよ……」
「うん、いいの?」
「はい……。せんせいにも、気持ちよくなって欲しいです」
「うん、ありがとう」
美穂の頭を優しく撫でて、唇にキスをする。
和弥が唯一まとっているトランクスには、その下にあるモノがすでに大きくなっていることをはっきりと表していた。
そのトランクスを脱ぎ、大きくなったものを露出させる。そして、どこからか出してきたゴムを手早くかぶせる。
「……コンドーム、付けるんですか……?」
「うん、今日からは、ちゃんとつけような」
今までが異常だったのかもしれないが、初めてゴムを付けて美穂とすることになる。
「美穂にも、こんな風に性教育もしてるしね」
「えへへ……、そうですね」
美穂はまだお赤飯は来ていないのだが、一応年頃の女の子なのだし、そういう部分にきちんと気をつけなければいけないだろう。今までが、ラッキーだっただけかもしれないし。
和弥が美穂の脚の間に入り込むと、美穂もそれを受け入れるようにする。
「痛かったら、ちゃんと言うんだよ?」
「はい、せんせい……」
美穂がこくんとうなずきながら言ったのを確認して、和弥のモノを美穂の秘部に添える。そして、そのままゆっくりと挿しこんでいく。
「あんっ、……あぁん」
美穂の身体が小さく震え、和弥のものをゆっくりと飲み込んでいく。美穂自身も痛みをまったく感じることなく、むしろ入り込んでくるものがより一層の快感を与えてくれるせいで、喜びを感じるかのように受け入れていく。
「あっ、あふっ……」
「美穂、痛くない?」
「あ、だ、大丈夫です」
入れられただけで、美穂には溢れそうなほどの快感が襲っている。ゆっくりと入り込んでくるモノが小さな美穂の中を押し進み、入ってくるのと同じように美穂も甘美な声を上げる。
これ以上は入らない、という間隔を先端で感じて挿入を止める。美穂の小さな秘部が和弥の大きなモノをしっかりとくわえて、ぎゅうぎゅうと締め付けている。それだけでも気持ち良さそうな美穂。和弥だって、これだけでも充分に気持ちいいし、何よりふたりとも幸せに感じている。
「せんせ、……大丈夫ですよ。動いていいですよ」
「うん……。じゃあ、ゆっくり動かすよ」
美穂の中に入っているものを、ゆっくりと引き出す。美穂の中がそれを逃すまいとするかのように、吸い付くように和弥にまとわり付く。ある程度引き抜いたところで、再び美穂の中に入れていく。さっきとは逆に、入ってくるモノを押しとどめようとするかのように美穂の中が動く。
「あっ、あぁぁあっ……! ……! ……!」
美穂が快感に耐え切れず、大きな声を出す。そのことに自分自身で気が付いて、つい反射的に口を手で覆ってしまう。いつもは声を出すと危ないので、美穂が自分で口を塞いでしまうのだ。
美穂を壊さないようにゆっくりと動いているのだが、それでも美穂へは快感が大きく伝わり、ぶるぶると震える全身で、快感を押さえるせいで苦しそうな表情で、そして僅かに漏れてしまう声で、美穂がどれだけ気持ちいいのか、和弥によくわかる。
「美穂、今日は大丈夫だよ」
美穂が口を塞いでいる自分の手を、和弥がそっと離す。はぁはぁと息が切れて、時々ぴくりぴくりと動く身体。そっと頭を撫でてあげながらキスをすると、再び和弥はゆっくりと動き出す。
「あっ、……ひぁぁっ、……あんんっ!」
いつもはあんまり聞く事が出来ない、美穂のかわいい声。和弥のゆっくりとした動きに合わせて、それが小さな身体から発せられる。でも身体は小さくても、それは少しずつ大人に成長している。心も、身体も、和弥との関係も。
「ふぁっ、んんっ……、せんせぇ、気持ちいいです……!」
快感を全身で受け止めながら、美穂がつぶやく。
「う、うん……、先生も気持ちいいよ……」
和弥の左手が、美穂の右手をきゅっと握る。美穂はそれをもっと強く握り返すと、さっきよりも和弥を締め付ける力が強くなった。
「くぅっ……」
思わず和弥も声を上げる。ただでさえ小さな美穂が、それをより強く締めて和弥を襲う。
部屋には粘り気を持った液体が混ざり合う、なんとも言えない音も聞こえる。気付けば、美穂自身から出されたその液体の量も、かなりのものになっていた。
「はぁっ、はぁぁぁっ……」
さっきよりも若干動きが早くなり、美穂の上げる声の間隔も短くなる。和弥も美穂の表情や声をよく聞きながら、きちんと気を使ってやさしくやさしく、美穂を気持ちよくさせる。
「ふ、……あっ、……ひゃっ、……やっ」
美穂と和弥が両手を繋いで、気持ちよくて、幸せな気分に浸りながら声を上げる。ふたりの敏感なところが激しく擦られあい、その快感をどんどんと溜めていく。
じゅぷ、じゅぷ、という音も、それが自分たちによって作られた音なんだと思うと、もっと恥ずかしくなってしまって、余計に快感が増してくる。そんな自分を見つめ直すと、美穂は自分自身が凄くえっちな女の子じゃないかと思ってしまう。
でも、今はそんなことはどうでもいいくらい、和弥との甘い甘い雰囲気の中に、すごく気持ちいい波の中に溺れていた。
快感がふたりに溜まっていき、なんとも言えない気分になってくる。まだ甘美な感覚に浸っていたいという気持ちと、いちばん気持ちいいところに行きたいという気持ち。
「せ、せんせぇ……、わたし、もう……」
「うん、……先生ももうちょっとだから」
かわいい声を上げ続けて快感を受け止めていた美穂にも、和弥にも終わりが見えてきた。
和弥が美穂の身体に覆いかぶさるようにぎゅっと抱きしめると、さっきよりもより激しく、それでも美穂を壊さないように腰を動かす。美穂も、和弥の大きな体に手を回し、より激しく襲い来る快感に耐える。
「あっ、あっ、……はぁぁっ! せんせぇ、せんせぇ……」
「う、うん、……美穂。もう、もうちょっとだから」
あと少し、あと少しの感覚が腰を動かす回数とともに減っていく。美穂も、もう溢れかえってしまいそうな快感を身体に溜め込み、それがはちきれてしまうのを必至に抑える。
「せ、せんせぇ、もうダメですっ……。はぁぁぅ、せんせぇ!」
「う……、うん。美穂、いいよ……。大好きだよ、美穂!」
「わた、わたしも、大好きですよぉ。……せんせぇ! あぁ!」
美穂が溜め込んでいた快感が、ついに崩壊するように溢れる。頭の中が真っ白になり、「気持ちいい」という言葉では表現が出来ないくらい、身体と心が不思議な感覚の中に放り出される。それとともに、和弥の体をより一層ぎゅっと抱きしめるのと同じように、和弥のモノもぎゅっと締め上げる。
「あぐぅっ!」
それと同時に、和弥も美穂の中へ自分の快感を放っていく。美穂に締め上げられたモノが、どくんどくんと大きく脈動し、和弥の体を細かに振るわせる。その脈動さえも美穂の快感をもっと大きくかき回し、気持ちいいという感覚を倍増させる。
互いを襲った快感の津波がゆっくりと消え去ると、はぁはぁと荒い息をしたふたりがつながったまま、幸せそうな顔でベッドの上に横たわっていた。
「ふにゃ……」
ベッドの上に裸のまま横たわって、ボーっとしている美穂。全身から汗がダラダラと流れ、それを和弥がタオルで優しく拭いていく。
「ごめん。ちょっと暑くなりすぎちゃったね」
和弥が申し訳なさそうにいう。部屋を閉め切ってしたのだから、気が付いて我に返ったときは夏の暑さとふたりの起こした熱気で、部屋の中がものすごく暑くなっていた。それでなくとも、あれだけ激しいことをしたのだ。気付けばお互いに汗ダクで、「いろんな意味」で頭がボーっとしている。
「美穂、起きれる? お茶持って来たよ」
トランクスだけはいた和弥がコップに冷たいお茶を入れて持ってくる。なんだかふらふら〜っとした美穂がゆっくりと起き上がり、それを少しずつ飲む。
開け放たれた窓から風が入ってきて、レースのカーテンをゆらゆらと揺らす。一部始終を見ていた扇風機がなんだか白けた表情をしつつ、全力で羽を回しながら首を振り、ふたりに風を送り続ける。
「さすがに、窓を閉め切ったら暑いよなぁ」
とはいえ、窓を開け放ってあんなことは出来ないよなぁ、とも思う。
「でも、気持ちよかったですよ……」
コップを両手で持った美穂が、まだ少しボーっとした表情でにこっと笑う。その表情がすごくかわいい。
「はは、うん。それならよかったかな?」
まだ部屋が暑くて汗が出ている中、寄り添ったふたりがボーっとする。扇風機の全力の風が、ふたりの顔にそよそよと当たる。
「……あんまり汗かいちゃったから、シャワーでも浴びようかぁ?」
「はい、いいですよ。……でも、せんせい、まだえっちしてもいいですよ?」
ぽーっとした顔の美穂が、そう答える。その答えが、天然で言ってることがわかるから妙にドキドキしてしまう。
「うん。でも、続けてしちゃうとさすがに暑すぎて倒れちゃうから、ちょっと休憩しような」
「はい、わかりました」
少し汗で湿った美穂の髪の毛を、優しく撫でる。そこに美穂がぴたっとくっ付いてきて、からだを預ける。いくら部屋が暑くたって、身体が火照っていたって、大好きな人とくっ付くのは幸せなのだ。
「今日は、夕方まで一緒に居ていいですか?」
「うん、いいよ。先生も、一緒に居たいな」
美穂のほっぺたにちゅっとキスをして、和弥が答える。
「えへへ……。せんせ、大好き」
「うん、先生も美穂のこと大好きだよ」
外の暑さも部屋の暑さも、ふたりの暑さもまだまだ暑くなっていく、夏の暑くてあま〜い日の、お昼ちょっと前。