世間の学校では夏休みに入った７月の平日。社会人はまだ遠い夏休みを思いつつ仕事に励みはじめた午前１０時。とある会社の寮の壁を、雨樋を足場にしながらロッククライミングするひとりの少女がいた。
「うんしょ…、うんしょ…」
少女は２階のある部屋のベランダに入ると、網戸をそっと開けて中へと入りこんだ。中では、ひとりの男がベッドの上でぐうぐうと寝ている。部屋は適度な散らかり具合と適度な整理具合。少女は、ふうと一息つく。
「まったくもう、しょうがないなぁ。こらっ！ 起きろっ！」
少女は手近な所にあったクッションをその男に投げつけた。
「…ぐぉっ？」
男が少女の方をむいて薄目で見る。
「…なんだよ、めぐみかよ…」
男はその顔を確認すると、またすぐに寝入った。
「私の顔見て寝るな〜浩一。今日は仕事はどうしたの？」
「うるせーなー。勤務変更で今朝まで夜勤だったんだからゆっくり寝かせてくれよ…」
ベッドの上で枕に顔を埋めて寝る男、浩一はあからさまに眠そうな声で答えた。
「へーそうなんだ。てっきり私は寝坊したかサボりかと思った」
「……」
めぐみがそう言ったのもおそらく聞こえていないのだろう。浩一はなにも言わず眠っていた。
めぐみはこの寮でまかないをしている家族の娘で、食堂や掃除などをよく手伝っている１２歳の小学生。中くらいの背丈に、肩まで伸びた髪。一見おとなしそうな雰囲気があるが、寮の壁をよじ登って浩一の部屋まで入ってくるような活発的な娘である。
浩一は昨年の春からこの寮に入った２０歳の社会人。今は、会社の工場に勤務している。通常は日勤が基本だが、都合によっては職場単位で夜勤が入ってこのようなことがある。めぐみとは入寮した時から仲が良く、めぐみもよく浩一の部屋に遊びに来る。
浩一はしばらくしてから再び薄目を開けた。さっきからなにか音が聞こえたかと思ったら、めぐみはテレビに向かってゲームをしていた。
「…おまえ、何をしに来たんだ？」
「え、ゲーム」
「それはオレが居てと知ってのことでか？」
「ううん」
「不法侵入…」
浩一は枕にぼすっと顔を突っ込んで言った。
「ウソだよ。管理室の在寮表見たら浩一が居るのがわかったもん」
この寮の管理室の横に在寮表と言って寮生の在寮状況がわかるものがある。出かける時は不在札にし、戻ってきたら在寮に戻すと言うものだ。
「…それで、オレの部屋にわざわざロッククライミングして入ってきたわけか？」
「そう」
寮は東西方向にやや傾いた感じで建っていて、中庭のような所を挟んでまかないをしてくれている家族の家がある。もちろんそれは、そこそこ離れていて、壁と生垣で隠されてはいるが、寮の食堂がそのすぐ近くにあるので簡単にこっちまでこれることが出来る。
まだ３時間くらいしか睡眠時間を取っていないが、浩一もめぐみとのやり取りでいいかげん目が覚めてきた。のそっと上体を起こし、めぐみを見る。といっても、自分の目の下にめぐみが居るようなものだ。狭い寮の部屋なので、ベッドとテレビとの距離は２ｍもない。
「めぐみー」
「なに？ わぁっ」
浩一はゲームをしているめぐみの胸に手をかけた。
「わわっ、い、いまはダメだよぉ」
「なんで？」
浩一はＴシャツごしにめぐみの胸をさわさわと触りながら聞きかえす。眠りを妨げためぐみに対してのちょっとした意地悪。そして、愛情表現。
「げ、ゲームしてるからだよぉ」
「そんなん、セーブしちゃえばいいだろ」
「そ、そうだけど、ふぁ…」
浩一の手が、めぐみの胸の突起に触れる。まだ小さな胸の膨らみだが、快感を得るだけの感度は持っている。
ちゅぅっ…
浩一は、すこし吐息を漏らし始めためぐみの唇にキスをした。ここまでして入ってきためぐみに対するおしおき、でもあるかもしれない。
「浩一…。お、お願い。…ちょっと待ってよぉ」
「だーめ。待てない」
「ふぇーん」
意地悪なことをしながらも、浩一はやさしい口調で言う。
「ったく、しょうがねーなー。ホントにゲームが好きなんだから」
浩一は頬を染めためぐみを傍らにもたれかけさせると、さっさとゲームをセーブさせて電源を落した。
「ういしょっ」
そして、めぐみの軽い体をベッドの上に引上げる。
「ふぇぇ…、どうしても…？」
「どーしても」
「うぇーん。浩一がいじめるぅ」
めぐみとしては、そんなつもりで浩一の部屋にきたつもりはなかったのだ。
「めぐみ、本気で嫌がってないし」
「…だって、本気で嫌がったら浩一、…してくれないんだもん」
だが、こういう事態もほんの少しだけ期待していたのは、今までの経験からでもある。
「そりゃそうだ…。本気で嫌がってるめぐみを無理矢理襲うほどオレは悪党じゃないよ」
「でも、半分無理矢理じゃないの？」
「嫌だったら大声あげて逃げろよ」
「で、でもぉ…」
めぐみには、はっきり言って逃げるなんて気はない。ベッドの上に寝かされためぐみに、浩一がもう一度キスをする。さっきまで寝ていたとは思えないほどの変わりようだ。
「ふぁーん。まだ朝の１０時半だよぉ」
「べつに時間なんてどうでもいいだろうが」
「そうだけど、あっ…」
浩一が、胸への愛撫を再開する。薄手のＴシャツでは、Ｔシャツの妙なさらさら感が適度な感度を生む。
「めぐみ、スポーツブラも着けてないんだな…」
「だって、…夏だと暑いんだもん…」
小さな膨らみを、Ｔシャツの上からふにふにっともむ。
「ふぇぇっ…」
めぐみの顔がみるみるうちに真っ赤になっていく。
「だ、だけど、ムードってものが…」
「ムードだったら、これ書いてる作者が一生懸命やってくれてる」
「作者って誰？」
「それはオレも知らない」
（ひどいな、ふたりとも）
浩一は、めぐみのＴシャツの端を持ち、するするっとまくって行く。胸までまくったあと、小さな胸をやさしく触る。
「くぅん…、あっ」
小さな胸は、日焼けした肌と違って白くてきれいな肌で、乳首もきれいな色をしていた。すべすべの肌とぷにぷにしたやわらかさが、めぐみにも浩一にも気持ち良さを与える。
「めぐみ、まだいいかどうか聞いてなかったけど、どうなの？」
いまさらという感じで、浩一が聞く。
「い、いまさらなに言ってるのぉ…。答え言うまでも無いよぉ…」
胸を少し触られただけで息が少し上がってきているめぐみが言う。
「んっ…」
浩一はめぐみと唇を合わせると、やさしく頭を撫でながらキスをする。浩一は、目をつぶっためぐみの顔をものすごくかわいいと思いながら、口を少し開いて舌でめぐみの前歯をノックする。
「んんっ…」
めぐみも、それに答えてそっと舌を出してくる。まだ初々しいめぐみのディープキス。ふたりの唾液が交じりあう音が、寮の部屋に響く。
「ぷはぁ…」
頬を染めて、ベッドの上に横たわるめぐみ。Ｔシャツを胸までまくられて、小さな膨らみを露出している姿が妙にそそる。
「めぐみ、わかってると思うけど、あんまり大きな声出しちゃだめだよ」
「…うん」
夏の、開け放たれた窓もある上に、寮の壁は意外に薄い。普段から元気なめぐみに一応釘をさしておくが、えっちの時のめぐみはものすごく切ない声しか出せないのを浩一は知っている。ロッククライミングまでするような元気な女の子が、えっちのときはひどくおとなしくなるのはちょっとしたギャップを感じた。
「めぐみ、ばんざーいして」
すこしおでこに汗をかきはじめためぐみが、上体を起こし両手を上にあげてばんざいをする。浩一はＴシャツをめぐみから脱がすと、再び寝かせて膨らみへキスをした。
「んっ…、ふわぁ…」
やわらかさを保っていた頂上も、浩一のキスですぐに固くなる。ほんの小さな突起だが、それがめぐみにとっては大きな快感になって伝わる。
「あふぅ…、あっ」
めぐみは、大きな声を出してしまわないように自分の指を噛む。大きな声を出さない様にと言うよりも、めぐみが本能的に行う、快感に浸るときの行為なのかもしれない。
「脱がすよ」
めぐみがこくんとうなずくと、腰を少しだけ浮かす。浩一がハーフパンツをめぐみの脚から抜き取ると、真っ白なパンツが現れた。飾り気は無いが、清潔感のある少女らしいものだ。秘部の部分は、すでに少し蜜を流し、白いパンツを少しだけ濡らしていた。浩一は、自身も汗をかいたＴシャツを脱いでから、めぐみの恥丘をやさしく撫でた。
「んはぁ…。こ、浩一…」
めぐみの息遣いがより荒くなる。めぐみは、やさしくされることに対して弱いのだ。それが普段の生活の時であれ、えっちの時であれ。だから、浩一も元気なめぐみに対してなるべくやさしく接する。めぐみは、そんな浩一が大好きなのだ。だから、浩一にいきなり胸を触られても簡単に許してしまう。
「ここ、めぐみは好きだよな」
浩一が布ごしに恥丘を触りながら言う。布の下にはまだ産毛も申し訳程度に生えているだけだ。
「ふぇぇ…、う、うん…。だ、だけどぉ…」
「うん、わかった」
めぐみの切なそうな顔を見て、浩一の指がゴムをくぐって縦筋へ直接振れる。
にちゃっ
「ひゃぅ…」
ぴとっと閉じられた縦筋の一部が呼吸をするように開き、蜜を少しずつ流していた。浩一は、指を筋に添ってやさしく動かす。
「あぁぅっ…、あんんっ」
筋から少しだけ頭を出した突起が、浩一の指にこすられる。蜜がさっきよりもたくさん流れ初め、浩一の指とめぐみの白いパンツを濡らす。
「めぐみ」
「ふぁ…、う、うん」
浩一はめぐみのパンツを掴むと、ゆっくりとめぐみの脚から抜き取った。荒い息をして、ベッドに横たわるはだかの少女。浩一はその少女の足をゆっくりと開くと、今度は筋を指で割り開いた。
「んわぁ…」
めぐみの中はすでに充血し始め、蜜をたくわえていた。浩一は今度は直接、突起に触れる。
「ふわっ、うあぁっ」
突起にやさしく触れるたび、めぐみのからだがぴくぴくと動く。
「あっ、だ、だめだよぉ。き、きたないから…」
浩一は、めぐみの秘部に直接口をつける。めぐみとしては、きれいにしておいてからしてもらいたかったのだが。
「別に構わないよ。めぐみなんだから」
浩一はそう言うと、秘部への愛撫を続けた。
「うぁぁ…、あっ、ふぁっ」
声にならない声を上げるめぐみ。おでこから汗が流れ、浩一のさっきまで寝ていた枕を、秘部からは蜜が浩一の唾液とともに流れ、シーツを濡らしていく。浩一のにおいが染み付いたベッドの上で、めぐみは官能を高ぶらせて行く。
「あぅっ、あんっ、ふぁぁっ…」
まだ幼いめぐみだが、秘部から蜜をとろとろと流し、土手やすぼまった所までも濡らしていく。
「こ、浩一…。いいよ…」
「…わかった」
浩一は半ズボンとトランクスを脱ぐと、そそり立ったモノを取り出した。それをめぐみの秘部にそっとあてがうと、ゆっくりと挿入した。
「ふぁぁぁぁ…」
めぐみが、きゅんっと縮こまってシーツをぎゅっと握り締める。
「めぐみ、大丈夫？ もう痛くない？」
全部入れた所で、浩一が聞く。初めての時から５回と場数を踏んでいないが、めぐみの反応がどうしても気になる。
「う、うん…。もう痛くないから。…いまは、気持ちいいよ…。す、すごく、すごく、気持ちいいんだから…」
めぐみが、切なく微笑む。浩一が入れるたびに気持ちよくなっていくからだに、まだちょっと戸惑っている。なにせ、初めての時はすごく痛かったのだから。それでも、浩一のやさしさでこころは幸せだった。いまは、からだの反応も気持ちも一緒なのだが、ちょっとそれにまだ慣れきれない。
「もっと、めぐみも気持ちよくなって欲しいから…」
「うん…。浩一、…動いて」
ぎゅっと浩一に抱きしめられためぐみが、浩一を抱きしめ返す。
「よし、わかった」
浩一は、めぐみをぎゅっと抱きしめたまま揺り動かす。
「あふっ…、あっ…、んっ…」
浩一に揺り動かされるたび、めぐみの体に気持ち良さが伝わる。ひとりでやることの気持ち良さがわかってきた頃の感覚と、少し似ている気がするとめぐみは思った。
「こういち…」
めぐみはそうつぶやいて浩一の唇を吸った。浩一もそれを返してくる。
「んっ、んくっ…」
浩一がぎゅっぎゅっとめぐみの中で押すたびに、めぐみもきゅっと締め付ける。まだ若すぎるめぐみの締め付けはかなり強く、浩一のモノを強く圧迫する。
「め、めぐみ…」
浩一も、はぁはぁと息遣いが荒くなる。
「う、あ、あむ…、ふわぁ…、浩一…、こ、こういちぃ…」
声にならない声を上げながら、めぐみも浩一の名を呼ぶ。
「も、もう、…わたし、…だ、だめ、…だよぉ…」
「お、オレももうすぐだから…。も、もうちょっと…」
「う、うん…わかってる」
浩一は動かす早さを速くする。ベッドが、時々ぎしぎしと音を立て始める。
「こういち…、もうだめだよぉ…」
「めぐみ、おれも、そろそろだから…、いっしょに…」
「う、うん…、でも…、もう…、わたし…、ふぁぁっ」
「め、めぐみ…、いいよ、いっちゃっていいよ、お、オレも…」
「ふぁぁ、あっ、んわぁぁっ…」
めぐみがぷるぷると軽く体を震わせる。それとともに、浩一のモノをぎゅぎゅぎゅっと思いっきり締め付けた。
「うぁ…、め、めぐみっ…」
どくっ、どくっ、どくっ…
浩一もめぐみの締め付けに絶えられず、めぐみのお腹の中に自分の分身を激しく撃ち出した。
「はぁ、はぁ、はぁ…、めぐみ…」
「ふぁぁぁぁ…、ふぁ、…こういち…」
汗だくのふたりは、繋がったままぎゅっと抱きしめ合い、唇を重ねた。
「浩一〜！ どこか連れていってよぉ〜！」
「むにゃぁーっ？」
パンツを着けただけのめぐみが、同じくトランクス姿でベッドの上で今まさに寝ようとしている浩一をゆっさゆっさと揺さぶる。
「３時間しか寝てないのにえっちして疲れたんだから寝させてくれぇ…」
「えっちをしようとしたのは浩一の方だよぉ〜。私はそんな気は無かったんだから〜」
相変わらずめぐみは浩一の体を揺さぶりつづける。
「…だったら大声あげて逃げれば良かっただろうが…」
「だ、だってぇ…」
そういうと、めぐみはしゅんとおとなしくなって上目遣いになる。パンツだけのめぐみが、浩一の横で女の子座りをして上目遣いをするのはなにかすごくかわいらしい。
「だったら一緒に寝ろ〜」
浩一はめぐみの肩をぐいっと掴むと自分の横へ寝かせた。
「ふぇぇぇぇ…」
浩一にわき腹から抱きしめられ、めぐみは顔を真っ赤にする。浩一は、すぐに寝息を立て始めた。
「…まったく、しょうがないなー」
めぐみは浩一のおでこに軽くデコピンをした。
「…痛ったぁ〜」
「あぅっ、あ、あわわ…」
「とりあえず昼飯まで寝させろ〜…。昼メシ食ったら一緒に街まで行こうぜ…」
「…う、うん！」
めぐみは、浩一の胸に顔を埋めると、少し微笑んだ表情のまま目をつぶった。
「お、おまえなぁ。給料日前にそんなにおごれないって」
昼飯。食堂で浩一とめぐみが並んで昼食を取る。
「えー。…だって、今朝あんなにいっぱいえ…」
ぺしっ。
「あぅっ」
「めぐみ…。公の場でそういうことを言わない」
「ふぇぇ…、ひどいよぉ、浩一」
デコピンされたおでこを押えて、めぐみが甘えた声で言った。
「わーったよ。給料入ったら何か買ってやるから今日は勘弁しろ」
浩一は軽く頭をおさえて言った。
「…わーい。やったぁ」
めぐみが浩一の手をぎゅっと握ってにこっと笑った。
（やーれやれ。今日帰ってきてからも、ちょっといたずらしてやろっかな？）
浩一がそう考えると、めぐみが少し頬を赤らめて言った。
「な、なに考えてるの…？」
ぺちっ
「ふぇっ」
かなーり手加減したデコピンが、めぐみのおでこをうつ。
「早くメシ食え。することもできねーぞ」
「…うん」
めぐみは、にこっと微笑んだ。
おわり