11月。北風が吹くようになり、冬の気配がやってきた。夜になると一段と冷え込みも厳しくなり、とてもじゃないが青姦なんかやるような気分ではない。
「こんな季節に青姦やったら風邪引くぞ」
「風邪引くだけならいいけど、ヘタすりゃ死ぬよな」
時計は午前2時をすぎた真夜中。PAC−2事務所の第1開発室では、美濃と西川が次のソフトを開発するために、週末なのに事務所へ詰めている。次はPAC−2でははじめてとなるロリゲーらしいが、はてさて、どうなることやら。
「おおかみ班の連中は、今頃ぐっすり寝てんだろうなぁ」
第1開発室のミーティングテーブルで美濃がつぶやく。アミューズメントソフトの開発が終わり、しばらくの休暇、そして任意出勤期間となったおおかみ班こと第2開発室。休暇中に次のソフト開発への充電をして、任意出勤期間中に企画をまとめあげて、また年明けから開発に入るのだ。
「しかし、夜になるといいかげん寒いな…」
「博樹なんかは、ぽかぽかと寝てると思うけどな」
西川の言うとおり。博樹とあずさは、外の寒さとは関係なく、ふたりそろってひとつのベッドで寄り添い、眠っていた。ちゃんとパジャマを着ているあたり、やってない様に見えるが、実はやったあとにちゃんと着て寝ているのだ。寒いから。
「んぐぅ…」
博樹が、あずさをあったかい抱き枕にして眠りこける。博樹の腕に抱かれたあずさも、まんざらではない顔で眠る。外の寒さは関係なく、ふたりの布団の中はぽっかぽかである。
「ふにゅ…、う…」
ちょっと息苦しさを感じて、あずさが目を覚ます。あずさのあったかい人間抱き枕。博樹がきゅっと抱きしめているもんだから、ちょっと苦しかったのだ。
「うにゅ…、博樹お兄ちゃん…、ちょっと苦しいよぉ…」
寝ぼけ眼で、あずさがつぶやく。その声が聞こえたのかどうなのか、博樹がむにゃむにゃと言いながら寝相を変えて、あずさを少し解放する。
「うぐ…ぅ…」
でも、顔はあずさのほうを向いたまま、左手を腕枕に、右手をあずさのお腹の上にして、あずさを抱いている。
(博樹お兄ちゃんって、こう見るとけっこうかわいいかも…)
暗がりの中で眠っている博樹の顔を間近で見て、あずさがふと思う。母性本能が、ちょっとくすぐられる。いつもあずさを大事にして、意外と頼りがいがあって、やさしい博樹。約束も守ってくれるし、大事な事はきちんと覚えててくれる。あずさの大事な王子様。かなりえっちだけど、それがあずさにとってはうれしい。単にえっちなんじゃなくて、愛されているのを感じられるから。
「んむ…ぅ…」
あずさが、博樹の頭を撫でる。普段撫でられてばっかりだから、こういうのもいいかもしれない。
なでなで、なでなで。
「んぐ…、あず…、んぅ…」
ちょっとだけ、寝言の中で自分の名前が聞こえ、くすっと笑う。
(…えへへ、…大好きだよ…)
心の中でそう言って、あずさは自ら博樹に抱きついて、再び眠りについた。
翌朝。窓からの光に気がつき、ゆっくりと目を開ける博樹。
「ん…、んぐ…」
ぽかぽかとした布団の中。寒くなっている部屋には、あまり出たくない。時計を見る。まだ7時半。休日としては早起きした方だが、まだ布団から出る気はない。だいたい、このぽかぽかさ加減がたまらなく幸せなのだ。
「んむ…、もう一眠りしようかな…」
と思って、傍らのあずさを見る。
「ふにぃ…」
すー、すー。
「うにゅぅ…」
寝息を立てつつ、寝言らしき声も上げる。博樹の寝間着を掴んで、なにか幸せそうな表情で眠るあずさ。
(…いつもあずさよりも後に起きる事が多いけど、…あずさの朝の寝顔ってすごい可愛いな…)
普段はほとんどあずさが先に起きて、博樹を起こす事が多い。だから、夜の寝顔ならまだしも、朝の格別にかわいい寝顔を見るのは、なかなかないのだ。やっぱ、寝顔は夜よりも朝の方がかわいいと思う。
すー、すー、と規則正しい寝息を立てて、あずさが眠りつづけている。その抜群の可愛さの寝顔を、博樹がひとりじめ。しあわせものの特権である。
「…ふにゅ…、…にゅ…、すー…」
寝言のような声を出して、あずさがまだ眠りつづける。その可愛い顔に、博樹の目線が引き寄せられる。
(こんなに可愛い寝顔なら、寝てるより見てるほうがいいな)
そう思って、右手でやさしくやさしく髪を撫でる。夏場に切った髪の毛がだいぶ伸びてきて、セミロングくらいまで伸びている。
(あー、…なんかキスしたいな…)
そう思って、やわらかいほっぺたにちゅっとキスをする。
「ふにぃ…、…すー…」
(くぁーっ! かわいいっ)
ひとり勝手に、布団の中で身悶える。キスに気が付いたのか、ちょっと反応を示したあずさがまたかわいい。しあわせものの特権であるとは思うが、まぁ…。
「にゅぅ…」
あずさが博樹の胸に擦り寄って、からだにほお擦りする。
(あー、…すっごくかわいい)
髪の毛を撫でつづけ、そっと抱き寄せる。さらさらの髪がものすごく心地よい。
「うー…、……うにゅぅ…」
あずさが薄目を開ける。そのまま寝ぼけ眼で博樹を見つめ、数回まばたきをしたあと目を開ける。
「おはよ、起こしちゃったか?」
「…ふにゅぅ…、…うにゅ…、…おはよ、…博樹お兄ちゃん」
まーだ眠気が抜け切っていないあずさ。いつものハキハキとした感じがまだ全然ない。
「…うー、…私よりも先に起きるなんて、…珍しいね…」
「うん、おかげで、あずさのかわいい寝顔をじっくりと見れたぞ」
「うにゅー、…やっぱり見てたんだ…」
だんだんあずさも、いつもの感じに戻って来た。寝起きがあまりよくない博樹(仕事のせいもあるが)に比べて、あずさはやっぱり断然若いせいか寝起きがすごくいい。
「うにゅ…」
あずさが、目をネコみたいにこしこしと擦る。
「抱きしめていい?」
「うん、…いいよ」
布団の中で、あずさのからだをやさしく抱きしめる。
「…あったかいね…」
「あぁ、外は寒いけど、布団の中は全然暖かいな」
ふたりが寄り添ってるんだから暖かくて当然。でも、それだけが理由ではないけれど。
「あずさのからだ、ぽかぽかして暖かいな」
「えへへ、…ありがと」
博樹に抱きしめられて、あずさが嬉しそうに微笑む。
「博樹お兄ちゃんのからだもあったかいよ。なんだか、しあわせって感じかなぁ?」
「そっか。そういわれると、オレも嬉しいな」
あずさの頭をなでなでする。これも、いつものコミュニケーション。そして、ふたりの愛情表現。
「な、あずさ」
「なぁに?」
「キスしよっか?」
「…うん」
ふたりが布団の中で抱き寄せあったまま、唇を重ねる。たまーにする、朝の目覚めのキスじゃなくて、ちょっと違うキス。
「ぷは…」
口を離して、目を開けたあずさの顔。頬が紅潮して、ちょっと興奮してきている。
「ね…、博樹お兄ちゃん…」
「ん?」
「その、…よかったら、…してもいいよ」
「…朝からだぞ」
「…わたしは、…その、…悪くないと思うけど…」
「そっか」
博樹はそう言って、あずさのパジャマに手をかける。
「布団剥ぐと寒いからな。今からはだかになるんだし」
「えへへ…」
布団の中に入ったまま、ふたりで互いにパジャマを脱がし始める。布団の中でごそごそと動いた後、寝間着が外へと出されていく。
「さ、あずさ。おいで」
「うん…」
ふたりとも、あとはパンツ一枚。外からは見えないが、布団の中ではふたりが裸になっている。
「んっ…」
ふたりが抱きしめあってキスをする。さっきとはまた違うキス。
「んむっ…」
博樹があずさに舌をさし込む。それに応えて、あずさも出してくる。ふたりで互いの唾液を交換し合う。
「んくっ…、んっ…」
舌と唾液が交じり合う音が、朝日がさしこむふたりの部屋に響く。
博樹は、ディープキスをしながら、あずさのからだをやさしく触る。
「んんんっ…」
すべすべとしたあずさのからだを、博樹の手が滑る。このすべすべ感がたまらなくきもちいい。
「あ…」
あずさが吐息を漏らす。博樹の手が、すべすべの背中を、お腹を、胸をやさしく撫でる。
「あずさ、濡れる前に、脱いじゃおっか?」
「…うん。…でも、…もう遅いかもしれないよぉ…」
手を布団の中でごそごそと動かし、あずさのパンツをするっと脱がす。布団の外へ出して、あずさの秘部にそっと触れる。
「あふっ…」
「…ごめんな。ちょっと遅かったかもな」
ぬるぬるとまでは行かないが、あずさの秘部はすでに濡れて、蜜を流していた。
「でもいいよ、…博樹お兄ちゃんが大好きなんだから」
そういうことを言われると、博樹もダメージが大きい。身悶えたくなってしまう。
「そういえば、あずさのここ…」
身悶えたくて暴走しそうな博樹が、話題を変えるためにそう言いながら、恥丘のあたりをさする。
「だいぶ大人に近づいて来たよな」
「えへへ、…まだまだだけどね」
あずさも成長するにしたがって、産毛みたいなものだったのが、だんだん濃くなって来た。それが、大人に近づいている証拠。ともすれば、もうすぐ始まるかもしれない。
「おっぱいだって、おっきくなってきたしな」
「うん。早くおとなになって、博樹お兄ちゃんと結婚するんだもん」
「おう、待ってるぞ」
またふたりがキスをする。そして、博樹の指が、再びあずさの秘部を動き出す。
「あ、…あんっ…」
布団の中でごそごそと動き、あずさがなんともいえない顔をする。博樹の指があずさの芽をこすり、そのまま秘部へと突き込まれる。
「はわ、…あんっ」
「気持ちいい? いつもよりも、濡れてるみたいだよ」
「…う、うん…。…なんだか、布団の中ではだかになるのって、変な感じだから…、あっ…」
秘部と一緒に、胸もまさぐられる。博樹の思いのままに反応してくれる女の子、あずさ。いつもの笑顔とは違う今の顔も、ものすごくかわいい。
「な、…なんだか、…むかし布団の中でひとりえっちしてたのと同じような感じだよ…」
思いがけない告白に、博樹のボルテージが一気に高まる。ギャグマンガ的に言えば、メーターが振り切ってチーンである。
「あずさ、…いいか?」
「…うん、いいよ」
いつもよりも早い展開。博樹もあずさも、布団の中で、しかも朝目覚めてすぐにすることに、なんだか妙な感じ方をしている。
横になったまま、博樹があずさの秘部へとモノをすえつける。そしてそのまま、腰をぐっと突き出すように挿入する。
「あふっ…」
あずさが吐息を漏らし、モノがするっと飲みこまれる。だいぶ入りやすくはなったけれど、中の締めつけはまだキツイ。それが、あずさの若さを物語っている。
「あ、…はぁ、…きもちいい」
あずさがつぶやくように言う。
「じゃあ、もっと気持ちよくなろっか?」
「…うん」
横になった状態であずさを抱きしめて、博樹がからだをぐっぐっと動かす。
「あっ! …あんっ! …ふわぁっ!」
震動がふたりの結合部へと伝わり、ふたりのからだを駆けぬけて行く。
「ふぁぁ、…あっ、…んっ」
博樹があずさの唇をふさいで、動きを続ける。口から口へと、吐息が伝わる。
「ぷはぁ…、はぁっ」
「あずさ、…大好きだ…」
「わたしも、…大好きだよぉ…」
抱きしめあったふたりが、愛を確かめ合う。こんな時でもするのが、ふたりの仲の良さを表している。
「も、…もっとぉ、…もっとして…」
あずさのおねだりに答えて、博樹ももっと激しく動かす。あずさの吐息が直接博樹にかかり、あずさが興奮しているのがよくわかる。
「あずさ、…きもちいいか?」
「う、うん、…気持ちいいよぉ…」
博樹に抱きついて、全身で振動を感じ取る。布団にこもってやるなんていう、普段しないことをしているせいか、いつもよりもものすごくきもちいい。
「はぁ、はぁぁっ…」
あずさが口で息をし始める。気持ちよくって、どうにもならなくなってきた証拠だ。
「あ、っ…あぁっ」
小さなからだが、博樹の腕の中で淫らに動く。からだ全体が熱くなって、高ぶってきている。
「あずさ、…ごめん、オレもう…」
「い、…いいよ。わたしも、もう、…が、…がまんできないよぉ…」
たぶん昔を思い出して、かなり感じていたのだろう。がまんできなくなったあずさのからだ。ふっと、力が抜ける。その瞬間、博樹のモノをあずさがぎゅっと締めつけた。
「うぁっ…、あずさっ」
それに耐え切れず、博樹の白い分身が、あずさの中を駆け抜けていった。
「うぁ、さむっ」
「くしゅっ…」
後始末を終えて、気付いた時にはふたりの体温も下がっていた。
「あずさ。ほら、体冷やすぞ」
博樹はそう言って、あずさに頭から毛布をかけた。
「あ、…えへへ。ありがと」
とりあえずパンツだけ履いたあずさが、毛布に包まる。
「博樹お兄ちゃんもおいでよ」
「ん、いいか?」
「うん、いいよ」
あずさがにこっと笑って毛布の中に博樹を招き入れ、一緒に包まる。
「えへへ、暖かい」
「うん、そうだな」
博樹があずさを後ろ抱きにする。
「……」
ふたりが顔を見合わせて、ちゅっとフレンチキスをする。
「…えへへへへ」
あずさが微笑む。この顔が、いちばんあずさらしくって、かわいい。えっちしてる時の顔もかわいいけど、こうやって微笑んで「えへへ」って笑った時の顔が、やっぱりいちばんかわいいと博樹は思う。
「さて、…お腹すいたなぁ」
「うん、…そういえば、もう食べるもの何にもないよ」
朝からいきなりしたので、ふたりともお腹がすいたらしい。
「そっかぁ…。よし、じゃあマックにでも食べに行こうか」
「うん、そうしよ!」
ふたりの週末。いつものように、ほのぼのとした幸せな日々は続く。