「博樹お兄ちゃん!」
「ん、ぬむっ!」
どげしっ! がごっ!
パソコンの前に座っていた博樹は、あずさに後ろから抱きつかれて盛大に後ろにコケた。あ、いまなんか別の音もしたが…。
「…っ、あずさ。おまえはゲリラか…。膝打ったし」
「びっくりした?」
「びっくりした。これでびっくりしなかったら、たぶん仙人かなんかだ…」
博樹はイスを元に戻しながら言った。
博樹とあずさの気持ちが通じ合って、1ヶ月半。とはいいつつも、「それなりのこと」は、やっていない。奥手なのだ、ふたりとも。添い寝もしてないのだから、博樹の我慢も大した物ではあるが。ただ、キスくらいなら、ちょっとはする。
「今日はえらい上機嫌だな」
「うん、博樹お兄ちゃんが今日は早かったからね」
「…そんなもんか」
「そんなもんだよ」
そろそろ博樹の方も仕事が忙しくなってくるころ。事務所にこもる時間も多くなってくる。今回取りかかっているゲームは、博樹が全体の企画、メインのシナリオを書いている。以前から書いて、原案として出してあったシナリオに肉付けをしている最中なのだが、時には事務所で徹夜なんて事もある。これから4月5月になると、家に帰って来れない方が多いかもしれない。
「最近は、お兄ちゃんも帰ってくるのが遅くなっちゃったからね」
「そうだな。…悪いな」
「ううん、いいよ」
特に今週は帰ってくるのが遅くなったり、帰れない日があった。だからせっかくの金曜日、あずさに早く顔を見せようと早めに帰ってきた。とはいいつつも、晩ご飯を食べて風呂に入ったら俄然やる気が出てしまった。
「それにしても、ホントに悪いな。せっかく早く帰ってきたのに、やる気が出ちゃって…」
「いいよ。やる気があるときにしっかりやれば後々楽だもん」
あずさは、にこっと笑いながら言った。
「そういえば、原画家さんは、今回誰なの?」
「原画? 今回は、っていうか今回も大牟田が書いてくれる」
「大牟田って、『おおむたやすいし』さんのこと?」
「うん」
おおむたやすいし、本名「大牟田 康石」とは、博樹と同じく「PAC−2」の作品で名を上げてきた原画家、イラストレーターである。前作ではメインのイラストを担当して、半分博樹とペアを組んでいるような存在である。
「大牟田の書く絵って、けっこう来るものがあるからなぁ。これに負けないようなシナリオを書かないとな」
そういうと、博樹はうっしゃ、と気合を入れて再びキーボードを叩き始めた。
「がんばってね、お兄ちゃん。…こっちのパソコン借りるよ」
「おー」
あずさは、博樹と反対側のパソコンに向かい電源を投入した。
「ん〜…、ひと段落」
博樹が伸びをした時間、10時半。後ろを見ると、あずさがまだパソコンに向かっていた。
「あずさぁ。がんばるなぁ…」
と言ってあずさのパソコンのモニタを見ると、博樹は脱力した。
「…あずさ」
半分食い入る様にモニタを見ているあずさ。博樹には、かなり見なれた場面。
「…おもしろいか?」
「うん。このシナリオまだだったから、おもしろいよ」
博樹が前作手がけたゲーム。要はギャルゲー。しかも、エロシーン。んでもって、大牟田の要望で、かな〜り濃くなった場面。この場合、大牟田が先に原画を書いてしまい、それにあわせて書かざるをえなくなったと言った方がいいかもしれない。そのシーン。
「すごいこと書いてるよね、これ」
「…そうか」
自分の作ったゲームを、目の前でやられるというのは慣れないとけっこう恥ずかしいものがある。このごろは慣れてきたが、年頃の女の子がやっているのは、かな〜り恥ずかしい。しかも、まがりなりにも自分と気持ちが通じ合ってる娘だ。
「18歳未満はやったらいけない事になってるんだぞ〜」
博樹は、肩の力が抜けた状態で言った。
「大丈夫。作者さんの許可があるから」
「あのなぁ…」
確かに、いつだったか「この辺にあるゲームは好きにやっていい」と言ってある。その中には、自社他社含めエロゲーも混じっている。「やってるだろ〜な〜」とは思っていたが、実際問題やっているとちょっと困る。
「…ふーん」
あずさの、感嘆の声。
「…はぁ」
博樹の、半分あきれた息。
「あ、終わり。…そっか、やっぱりこのふたり結ばれちゃうんだ」
「…そーゆーゲームだからな」
作者本人の弁。ただし、企画原案は彼ではないが。
「博樹お兄ちゃん、シナリオ終わったの?」
終了したあずさが、博樹の方を向いて言う。
「…とりあえず、今日はこの辺にしておく」
「じゃあさ、ちょっと質問していい?」
「…なに?」
「…ああ言うことって、…本当に気持ちいいの?」
博樹が、ドキッとする。
「…率直に言うと、オレ、やった事ないからわからないけど。…気持ちいいらしい」
「…そっか。…博樹お兄ちゃん。…わたしじゃ、ダメかな…?」
あずさが、ちょっと恥ずかしそうに言う。
「…ダメかなって、…あずさ、え…、えっちすることか…?」
あずさはこくんとうなずくと、小さな声で言う。
「…博樹お兄ちゃんが持ってるあの本みたいに、…してもいいよ」
「あずさ、…あの本って」
「そこにある…、その、…ロリの裏本って言うのかな…?」
目線で場所を指しながら、あずさは言う。博樹はその目線を確認すると、頭をかいた。
「あずさとそういう事が出来るんなら、…オレはものすごく嬉しいけど。…それは、あくまであずさが本当にそう思ってるんならだから…」
「そう思ってるよ。博樹お兄ちゃんとえっちな事出来れば、…わたしだってすごく嬉しいもん」
「オレ、…こんなゲームのシナリオ書いてるけど、実際やった事ないし、…本当に気持ちいいのかどうかもわからないけど…」
「わたしだってした事ないけど、きっと、…すごく気持ちいいと思うよ。…博樹お兄ちゃんが大好きだもん」
あずさが、微笑みながら言う。その笑顔を見て、博樹も決心する。
「あずさ、…おいで」
博樹がベッドの上に座ると、あずさもその横に座った。
となりに座ったパジャマ姿のあずさをやさしく抱きしめてから、頭を優しく撫でる博樹。ふわっと、女の子らしいシャンプーの匂いが少しする。あずさも、博樹に身を預けて嬉しそうな表情。
「なぁ、あずさ」
「なに?」
「オレ、最初に謝っておきたいことがひとつあるんだけど…」
「…なに?」
あずさが、少し不思議な表情をする。
「11月くらいに、あずさがリビングで居眠りしててオレが部屋まで運んだことあっただろ」
「…うん、そんなことがあったね」
「オレ、…その時少しだけだけど、…あずさの胸触った」
博樹が、言いにくそうに言う。
「…べつに、そんなこと謝らなくてもいいよ。博樹お兄ちゃんだもん、それくらいされてもいいよ。むしろ、…そんなことされてうれしいかな? へへ、こんなこというのも変だね」
あずさが、少し恥ずかしそうに言った。その顔を見て、博樹の表情もやわらかい物になった。
「…うれしいか。ありがとな。あずさ」
「ううん。感謝されるほどのものじゃないよ。…それだったら、わたしも博樹お兄ちゃんに言っておきたいことがあるよ…」
「ん? なに?」
あずさが、今度は顔を紅潮させる。
「わたしね…。ひとりえっちするとき、…博樹お兄ちゃんのこと考えながらしてたんだ」
博樹はその告白に、ものすごくドキッとした。
「…あずさ、…オナニー知ってるんだ」
「うん、…もう高学年だもん、みんな知ってるよ。…はじめてしたときから、…博樹お兄ちゃんのこと考えながらしてたんだよ」
あずさの大胆な告白。博樹は、ものすごい心臓の高鳴りを感じながら、あずさをそっと横から抱きしめた。
「ありがと、…あずさ」
「わたしも、…ありがとね」
そっと、あずさのさらさらの髪を撫でる。
「博樹お兄ちゃん。わたしも、…ずっと博樹おにいちゃんとえっちな事したいって、…思ってたんだ」
「…あずさ、…大好きだ」
「うん、…博樹お兄ちゃん。わたしも大好きだよ」
ふたりの唇が重なり合い、博樹はあずさの体を、そのままやさしくベッドに倒しこんだ。一度唇を離すと、博樹は口を開いた。
「ひとつ、…言っておきたいことがあるんだけど」
「うん…」
「あずさは気を悪くするかもしれないけど、…あずさはまだ子供だしはじめてだから、…まだ入れられない」
「…博樹お兄ちゃんのことだから、…そう言うと思ったよ」
あずさは微笑みながら言った。
「今日はまだいれることは出来ないけど、…かならず、するから」
「…うん。…やっぱりやさしいね、博樹お兄ちゃんは…」
今度は、あずさから博樹に唇を重ねた。あずさのちっちゃな唇が、愛しそうに博樹の唇に吸いつく。博樹は、目を閉じたあずさをそっと抱きしめながら、あずさの口の中に舌を挿しこんだ。
「んっ…」
それに応えて、あずさも自分の舌を、ぎこちなく博樹の舌と絡めてくる。初めて同士のふたりがする、ぎこちなく初々しいディープキス。ゲームでは幾度となくこういうシーンを書いてる博樹、ゲームや本で仕入れた知識をめいっぱい使おうと努力するあずさ。
ふたりの舌と唇が、唾液の混じる音を部屋の中に響かせる。
「んくぅっ…」
口の中に溜まって行く唾液を、あずさが飲みこむ。顔は紅潮し、博樹もあずさもかなり興奮して舌を絡め合う。
「んむっ…、んっ…、ぷはぁ…」
一度唇を離してはふたりでみつめあう。そして、ふたり一緒に微笑む。
「…へへ、博樹お兄ちゃん…」
「…あずさ」
博樹が、あずさのほっぺたにキスをすると、今度はあずさが博樹のほっぺたにキスをする。そして、またみつめあって微笑む。ふたりとも、それなりにムード作りが上手い様だ。
「もっとキスして、博樹お兄ちゃん」
「うん、…いっぱいするよ」
再び唇を重ねて、舌を絡め合う。興奮して頭がボーっとし始めているふたりにとって、その甘美な感覚ははじめての体験で、いつまでやっても飽きることはなかった。
「んくっ…、んむ、…んんっ」
ふたりの合わさった唇から、声にならない息遣いが漏れる。あずさをぎゅっと抱きしめたまま、博樹はそっと唇を離した。
「あ…」
博樹の両手が、あずさの胸をパジャマの上から覆う。自己主張をはじめたあずさの胸が、博樹に伝わる。
「あんまりおっきくないよ、わたしのおっぱい…」
あずさが照れ隠しに、少し微笑んで言う。
「…そっか、…前にいっかい触ってるんだよね、博樹お兄ちゃん」
「…うん、…まぁ、…こんな感じだったけど」
博樹も、照れ隠しに言う。触ってると言っても、パジャマの上から膨らみに手を乗っけただけ。
「博樹お兄ちゃんの好きにしていいよ。…わたしも、もっと触ってもらいたいな…」
少し紅潮していた顔をさらに赤くさせながら、あずさが言う。博樹は、両手を軽く動かす。
「あっ」
あずさのからだが軽くきゅっと縮まる。はじめて、他人に形を変えられる感覚。自分で触るときとは全然違う気持ちいい感覚が、あずさの神経を流れる。
「気持ちいい?」
「うん…」
博樹は、あずさの胸を意外とやわらかいと感じながらふにふにっと揉む。
「あ、…はぁ」
あずさから吐息が漏れ始め、目がすこしとろんとしてくる。あずさが、少し感じている様子。
「あずさ」
「…うん」
博樹があずさの目を見つめると、あずさは博樹の気持ちを理解した。あずさは、パジャマのボタンをひとつずつ外されながら、顔を恥ずかしそうに紅潮させていった。
「恥ずかしいよな…、やっぱり」
「うん…」
「脱がしてるオレも、…それなりに恥ずかしいし」
あずさがくすっと笑い、博樹もそれにつられて照れ笑いをする。ふたりがもういちどちゅっとキスをすると、パジャマをゆっくりとはだけた。
あずさの真っ白な肌が、胸の所で一生懸命自己主張をするように丘を作っていて、頂点でもうひとつ小さな山を形作っていた。その頂点の中心は少し埋没して、薄いピンク色に染まっている。さながら、小さな火山のようだった。
「…ちっちゃいよね、まだ」
あずさが照れ隠しにいう。
「そりゃあ、…あずさはまだ成長してるんだから」
頭をなでてあげながら博樹は言う。
「でも、おっきくないと博樹お兄ちゃんは楽しくないでしょ…?」
あずさが少し不安そうな目で言う。それを聞いて博樹は、やさしく言った。
「い〜の。オレはあずさが好きなんだから関係ない」
「そうなの…?」
ちょっと不思議そうな顔で、あずさが言う。あずさにとって、おっぱいはおっきい方が男は喜ぶ、という情報が頭にあったのだ。
「あずさがずーっとこのままちっちゃいままでも、ものすごい巨乳になっても、そんなのはどーでもいい。オレはずーっと、あずさが大好きだから」
「…なんか複雑だけど、…うれしいよ、博樹お兄ちゃん」
にこっと、あずさが満面の笑みになった。
「そんなに気にしてるんなら、おっきくなるように、オレがいっぱい触ってあげるから」
「うん、博樹お兄ちゃんなら、いっぱい触っていいよ」
あずさは博樹の手を優しく握ると、自分の胸へと乗せた。博樹は、その手をやさしく円を描く様に動かした。
「あっ…、気持ちいい…」
ちっちゃな胸をやさしくマッサージされて、あずさは切なく吐息を出した。
「はぁ…」
からだがぽぉっと熱くなってきて、顔や額が汗ばんでくる。触ってる博樹も、興奮して体が熱くなる。
「博樹お兄ちゃんも、脱いだら…?」
「…うん、そうだな」
博樹も長袖のシャツを脱いで上半身裸になる。
「オレの胸板も、薄いだろ」
もともとやせがた体質の上、デスクワークしかなくあまり運動もしない博樹の胸板は、そんなに筋肉があるわけではなかった。
「へへ、いっしょだね」
あずさが自分の胸をぽんっと軽く叩いて言った。
「もっと、触っていいよな」
「うん、もっとして、博樹お兄ちゃん」
あずさがそう言うと、博樹はあずさのふくらみのてっぺんにくちづけをした。
「きゃんっ!」
あずさのからだがぴくんっと跳ねる。胸にくちづけをされる、初めての経験。
「い、いきなりびっくりしたよぉ…」
「ご、ごめん、ごめん。…口で触られるのは、いや?」
「え、…ううん、大丈夫。びっくりしただけだから。もっとして」
博樹はあずさのほっぺたにキスをすると、もう一度胸のてっぺんにやさしいキスをする。
「んっ…」
あずさのからだがすこし小さくなる。慣れない快感に、少し緊張している。博樹はそれを見て、手でやさしく触りながらくちづけをする。
「はぁぁぁっ…」
大きな吐息をついて、まだ小さなからだがかわいらしく反応して、ふくらみの頂点が少し固くなってくる。
「あずさ、気持ちいい?」
「うん、…すごく気持ちいいよ」
「おっぱいのてっぺん、固くなってるよ」
「うん、博樹お兄ちゃんのおかげだよ…」
「はは、…ありがと」
あずさの唇に、ちゅっとキスをする。だいぶ慣れてきたことを感じ、博樹はもう一段、あずさへの愛撫を強くする。
「ふひゃぁ…」
今度は唇で挟んで、舌先でてっぺんを舐め動かす。小さくなったチュッパチャップスを舐める様に、博樹は固くなったてっぺんを舐める。
「あっ…、んふ…」
てっぺんだけでなく、ふくらみもやさしく触りながら、あずさを愛撫する。あずさもそれに応えて、切なく声を出す。
「はぁ…、博樹お兄ちゃん…」
あずさが、とろんとした目で博樹を呼ぶ。博樹はあずさの体をやさしく起こし、はだけていたパジャマの上着を脱がしながら、やさしいキスをした。
「もっと違う事してもいいよ…」
「…うん、わかった」
もういちどあずさを寝かせると、パジャマのズボンをそっと脱がす。あずさの身につけているのは、何の柄もない、白のパンツ一枚だけ。
「…はじめてだよね。…博樹お兄ちゃんが、わたしのパンツ見るの…」
「…うん、…身につけている状態では、はじめてだな…」
洗濯の時に、幾度か見ているあずさのパンツ。それでも、洗濯の時にちょっとドキッとするものが、あずさが身につけているだけで、何倍にも大きなドキッになる。そのせいで、博樹の鼓動も次第に大きくなり始める。白い布地に隠された大切な所は少しふくらんでいて、なだらかな丘を真っ白なおなかへとラインを作っていた。
「博樹お兄ちゃん。…恥ずかしいから、じっと見ないでよぉ…」
あずさが恥ずかしそうに言う。顔はもう真っ赤で、左の胸の膨らみが、ほんの少しとくとくと上下動しているのがわかった。
「だって、…すごくかわいいから、あずさが…」
博樹はそういうと、白い布地の上からスリットを指で撫でた。
「ひゃぅぅ…」
あずさのからだが縮こまり、小さく震える。博樹の指には、少ししっとりとした感触が残った。
「あずさ、…濡れてる?」
「あ、あたりまえだよ…。博樹お兄ちゃんのせいで、…すごく気持ちいいんだからぁ…」
あずさのすごく恥ずかしそうな声。そう聞いて、博樹は恥丘をやさしく触わってから、そのまま白いゴムをくぐって直接触れてみた。
「あっ…」
博樹の指があずさの秘部に触れたとき、指にしっとりとした感触が直に伝わった。はじめて触る、女の子の大切な場所の感覚。ぴたりと閉じられてはいるが、ほんの少しだけ息遣いをはじめた秘部を指先で感じながら、博樹ははやく大切な場所を見たい衝動にかられた。
「あずさ、…いいか?」
「うん…、いいよ」
あずさがこくんとうなづきながらいう。博樹は、あずさにちゅっとキスをして、まっ白のパンツに手をかけた。
「…これから、…博樹お兄ちゃんに全部見せちゃうんだよね」
「うん…」
「…恥ずかしいけど、博樹お兄ちゃんだから」
あずさが少しだけ腰をあげる。博樹は、するするっと、あずさの腰からパンツを抜き取った。
「あっ、…見られちゃった…」
あずさがすごく恥ずかしそうにつぶやく。もう隠すものがない、あずさのからだ。
「…博樹お兄ちゃん、お願いだから、じ、じっと見ないで…。恥ずかしいから…」
ベッドの上に横たわる、白い肌だけをまとったあずさ。おもわず、博樹の動きが止まってしまう。ごくっと、生唾を飲み込みながら、博樹はあずさの脚をそっと広げた。
「…ひ、博樹お兄ちゃん…」
ちょっと泣きそうなあずさの声。相当恥ずかしいのだろう、少し震えているのがわかる。博樹はそれを感じると、あずさの体をぎゅっと抱きしめて、やさしくキスをした。
「あずさ…」
「博樹お兄ちゃん…」
頭を何度も撫でてあげながら、博樹はいとおしくキスを続ける。だんだんと、あずさから震えが取れてきた。
「いいよな、…あずさ」
「うん…。…気持ちよくして、博樹お兄ちゃん…」
まだ真っ赤な顔で、あずさがいう。博樹は、もういちどあずさの脚を開いて、大切な場所をあらわにする。毛なんて物はまったくない、ほんとうに真っ白な場所。真っ白な恥丘から続く、縦一本に入った筋。ほんの少しだけしわがより、思春期の少女の秘部を表していた。下のほうは少し開いて、きらきらとした液体を少しずつ流していた。
「んっ…」
博樹が指先でスリットを割り開くと、あずさから吐息のような声が出る。ピンク色に染まり、蜜を湛えたあずさの大切な場所。皮をかぶったままの秘部の芽、ちっさく見えるおしっこの穴、そしてまだ少女であることを自覚させられる大切な秘口。それらを確認しながら、博樹は芽をやさしく指で触った。
「ふわぁ、…あんっ!」
ぴくぴくっとあずさがうごめき、秘口から蜜を新たに流し始める。
「ひ、博樹お兄ちゃぁん…」
博樹は蜜を指先につけ、芽をやさしくマッサージする。
「あっ! ふぁぁぁっ!」
ぬるぬるとした感覚をいちばん感じる所に与えられて、あずさは全身を激しく躍らせる。
「きゃううっ!」
博樹がくちづけをすると、あずさがさらに声を上げる。感じたことのない、あずさにとっては未体験の感触が、秘部から全身のすみからすみまで電撃のように伝わる。
「ひ、博樹お兄ちゃん…、そんな…、だ、ダメだよぉ…」
息も絶え絶えになりながら、あずさが快感に耐える。
「あずさ…、我慢しなくていいよ。いきたかったら、いっちゃっていいから…」
「そ、そうだけど…、ひ、博樹おにいちゃ…、あっ」
「あずさがいくところ…、オレ、見たいから…」
「そ…、ふわぁっ! き、気持ちよすぎるよぉ…っ!」
気がつけば、あずさの全身から汗が出て、ベッドのシーツを少し濡らしていた。博樹はそんなことは気にせず、あずさへと愛撫を続ける。
「あんっ! くぅんっ!」
博樹の唾液と、あずさの蜜のせいで、あずさの秘部は相当に濡れている。それ以前に、あずさの蜜がどんどん湧き出て、すぼまった穴まで濡らしていく。すでにオナニーを覚えていたあずさでも、人にされる刺激は自分の何倍以上もの快感になって伝わり、あっという間に絶頂までもっていかれそうになる。
「ひ、博樹お兄ちゃん! も、もう…」
「いいよ、あずさ…」
博樹は、指も使いながらあずさへの執拗な愛撫を続ける。
「ひ、ひろ、…博樹おにいちゃんっ!」
一瞬あずさのからだが縮こまったかと思うと、すぐに、何かパッと弾けるような感じで、かくんと、崩れ落ちた。
「あ…、ふぁぁ…、あくっ…」
絶え絶えの息をくりかえしながら、あずさはベッドの上に横たわっていた。
「…いったか」
あずさに聞こえないような小声で、博樹がつぶやいた。そして自分の体を起こし、あずさのその顔を見てびっくりした。
「えっ、あ、あずさ…」
今までに見たことのない、目がとろんとした、快楽の中の、とんでもなくドキッとさせられるあずさの顔。息遣いは荒く、顔は紅潮し、汗がにじみ出ていた。
「…はぁ、…はぁ、博樹お兄ちゃん…」
「…あずさ、…気持ちよかった?」
「…うん、…こんなの、はじめてだったよ…」
まだうつろな目線で言うあずさ。
「そっか…。うれしいな、オレは。オレでいってくれて…」
「えへへ…。すごく…、恥ずかしかったけどね…」
とろんとした表情で、はにかむあずさ。またひとつ、あずさの新しい表情を見た気がした。
「博樹お兄ちゃん、…今度は、私にもさせて…」
あずさが、まだ絶頂から抜け切れていない体を起こし、博樹に向かう。
「…わかった」
博樹は自分でズボンとトランクスを脱ぐと、まだ大きくなったままだったモノを出した。
「…お、おっきいんだね」
「…びっくりした?」
「…うん。ゲームとかで書いてたのって…、半分うそだと思ってたから…」
博樹のモノは、そう大きいサイズではないかもしれない。すくなくとも、日本人男子標準サイズである事には、間違いないはずだが。
「ゲームみたいに…、していいの?」
「…うん、してみてくれたら、…オレはうれしい」
今度は、博樹がかあっと赤くなる。
「じゃあ、…するよ」
あずさが博樹のモノに吸いつく。
「うわっ!」
小さな舌が先端部に触れた途端、今度は博樹に衝撃が走る。
「ふ…、くぅっ…」
ねとっとした感触が、博樹のものを襲い、今までに感じたことのない高ぶりが体中に流れはじめる。
「…博樹お兄ちゃん、…うれしい」
博樹の表情を見たあずさは、小さな口に博樹のモノを出し入れさせる。
「ひっ…」
舌や口の中のねっとりとした感覚が、博樹にとってはまったくの初体験。そもそも、えっち自体が初体験なのに、高ぶっている状態でやられたら、先は長くない。
「あ、あずさ…」
伊達にゲームをやっていないあずさ。先っぽを舐めたり、手でしごいたり、根元まで舐めたりなんて、初めてにしては知識豊富だった。だが、やっぱり動きはどうしてもぎこちなかった。
「はぁっ、あ、あずさ…」
「…気持ちいいの? 博樹お兄ちゃん…」
「う、うん…。す、すごい気持ちいい。…あずさがしてくれるだけで、…なんか、すごい…」
博樹にとっては、あずさがしてくれていることと、そのぎこちなさも快感のひとつになっていた。
「あずさ、もう、オレ…」
博樹自身、もったいないと思うほど、絶頂が早く来てしまった。我慢したいのに、我慢が出来ない気持ちよさ。その顔を見て、こくんと、あずさがうなずく。あずさも、博樹をいかせたいのだ。
「あ、あずさっ!」
あずさの頭を抑えて抱え込むようにして、博樹はあずさの口の中へと放出した。が。
「くふっ! こほっ! こほっ!」
博樹が若干予想していたとおりの結果が起こった。最初の放出で、慣れないあずさはやはり咳き込んでしまった。おかげで、口の中に放出された精液が口からだらっと垂れて、勢い余ったものはほっぺたに少し飛んでいた。ちょっと、というか、かなりエロティックな感じになってしまった。
「はぁっ、あ、あずさ…」
博樹はあずさを股間から離すと、顔の現状に気がついた。
「けほっ、博樹お兄ちゃん、ご、けへっ、ごめんね…」
咳き込みつづけながら、ちょっと涙をうるましているあずさが言う。
「…い、いや。いい、いい…。あずさが、ここまでしてくれただけで、…オレはうれしいから」
博樹はティッシュを出すと、あずさの顔を拭こうとした。
「…あずさ」
あずさは、口元の精液を指ですくいとってまじまじと見つめると、思いきりよく、ぺろっと舐めた。
「うにゅ…、なんか、…微妙な味」
あずさの仕草を見て、博樹は思わず苦笑した。
「くくっ、…すまん。あずさ、…おまえホントにかわいいな」
「…えへへ。…博樹お兄ちゃんが大好きだからだよ」
あずさが、にこっと笑う。顔はもう、いつもの表情に戻っていた。
「とりあえず、その顔だけは何とかするから」
博樹はティッシュであずさの顔の精液を拭き取ると、濡れティッシュでもう一度あずさの顔を拭いた。
後始末を済まし、はだかのままでベッドの上に横たわる。
なでなで。
「…えへへ」
博樹に頭を撫でられて、あずさがうれしそうに微笑む。
「博樹お兄ちゃん…」
そのまま、ぴとっと博樹に抱きついた。
「あずさ、…大好きだぞ」
「うん、私も大好きだよ」
あずさが、博樹の薄い胸板にほおずりしながらいう。
「…しあわせだよ、なんだか。…すごく気持ちよかったし。博樹お兄ちゃんは?」
「同じだ。…好きな人とえっちすると、やっぱり気持ちいいんだよ」
博樹はあずさをきゅっと抱きしめると、頭を優しく撫でた。
「このまま、ここで寝ていいよね…」
「うん。…今日だけじゃなくて、ずっとここで寝ていいぞ…」
「…うん、じゃあ、そうするよ。…今日から、ずっと博樹お兄ちゃんと一緒に寝ることにするね…」
はだかのまま布団に包まって、身を寄せ合ったまま灯りを消す。
「もっとおっきいベッド買わなきゃいけないかな?」
「将来的には、な…。でも、当分はこの方がオレはいいけどな。あずさがぴったりそばにいて」
「そうだね…。だったら、ずっと子供のままがいいな…」
「はは…。でも、オレは大人になったあずさも見たいけどな…」
暗がりの中で、博樹はあずさの顔を優しく撫でながら言った。
「うん…。ちょっとだけ、わたし大人に近づいたよね…」
ちょっとうれしそうな言葉で、あずさは言った。
「あぁ。…オレ、絶対にあずさを手放さないから」
「…博樹お兄ちゃん」
あずさが、博樹の体にいっそう強く抱きつく。
「あずさ…」
身を寄せ合ったまま、ふたりとも眠りについた。